カリタという会社の、陶磁器製のコーヒードリッパーでコーヒーを入れました。コーヒーの入れ方について説明書きがあり、その中にさすが日本のプロ根性と思いやり、もてなし精神を感じました。
日本にいるころはコーヒードリッパーをつかってましたがこっちに来てからはインスタントか、お茶を作る要領でコーヒーを作ってました。(お茶の葉を入れる網の中に挽いたコーヒー豆を入れて。)なぜか今までその陶磁器のコーヒードリッパーを見つけられなかったんです。プラスチック製なら見つけたこともありましたが、お湯をプラスチックに注ぐのはいくら耐熱性といっても気が進まないし、おいしいコーヒーがそれでつくれない気がしていたもので。実際にはおいしさは変わらないのかわかりませんが(調べる価値はありそうです。「陶磁器製とプラスチック製で味に差はでないのか」)。陶磁器製のほうが保温効果がありそうなのでよりおいしいコーヒーになりそうです。
これはいきさつ。
赤いチェックのパッケージにそれは入っていました。このパッケージには見覚えがあります。日本にいるとき使っていたのもそれでした。まだ八十年代かそれより前のデザインを使っているという雰囲気がしていいと思います。
箱にも「赤いチェックのカリタ」と書かれています。トレードマークということでしょうか。
「おいしいコーヒーの入れ方」というdirection、写真もイラストも文字も印刷のインクも、昔っぽさがあります。
実は、directionがあると気がついたのはコーヒーを入れる前だったのですが、今まできちんとフィルターの底の部分など折り曲げる動作をしてませんでした。
directionによれば、「コーヒー濾紙はチャック止め部分を折り曲げ、ドリッパーにぴったりはめこみます」。今までドリッパーに「ぴったりはめこ」んではいませんでしたね。ただドリッパーにその紙を開いて適当に入れて、目分量で豆を入れて、まあ、お湯は最初注いで蒸らし、そのあと何回か注ぐというのは知ってましたが、それほど注意深くしてませんでしたね。
また●(黒丸)で「コーヒーカップやドリッパーは必ず温めておきましょう」と注があります。細かいですね。
2、「ひとり分はカリタ・メジャーカップすりきり一杯、約10g。(ティースプーンなら約3杯です。)」。自社の計量スプーンに名前をつけてきちんと説明に含めるのも日本って感じがします。世界共通でしょうか?そのあと注の●再び。「ひとり分ならやや多め。三人以上ならやや少なめがおいしくたてるコツ」とのこと。ありがとうございます。
3は蒸らしの段階の説明。再び●で、水は蛇口から出たばかりの水を使ってくださいとのこと。
4は蒸らしが終わり、お湯を数回注ぎいれることについての説明。「粉をふくらませるように」とあります。
4については●が三つあります。もっとも日本らしいのは、「たて終わった粉は、濾紙ごとポンと後始末。手軽で衛生的です。」簡単でしかも手を汚さず、「衛生的」とのこと。何が何に比べて「衛生的」なのか私にはよくわかりませんが・・・。
そして、最後に「さあ、できあがり。いれたての本格的な味と香りをお楽しみください」もてなしの精神が最大限に発揮されています。
この説明書にしたがってコーヒーを入れたそのあかつきには、おいしいコーヒーが味わえるというわけです。
同社のペーパーフィルターの写真は現在撮られたものではないでしょう。今の写真の画像の密度の細かさが見えないからです。なんとなくぼやけ、白黒のような雰囲気の写真です。時代を感じさせます。老舗なのでしょうか。
細かい説明はありがたいのですが、私は1の器具のセットを毎回きちんと行う自信はあまりないです・・もちろん心がけますが、今日は何やら発見がありました。ありがとうございます。